王と鳥 [DVD]
日仏学院メディアテークで借りたフランスのアニメ「王と鳥 [DVD]」を見る。

目もくらむばかりにそびえ立つタキカルディ王国の高層ビル群、その最上階で孤独と狩りが趣味の王様はグラスを手に蓄音機のネジを巻く。♪ロバと王様と私/明日はみんな死んでます/ロバは飢えて/王様は退屈で/私は恋で…。王様の敵は宮殿の屋敷に巣をかけた極彩色の大鳥。自由に空を飛び、羊飼いと煙突掃除を王の手から逃れさせて、最下層の太陽のない町へと導く。ついに暴君は巨大ロボットを出動させ、二人と鳥を捕らえてしまうが…。
1979年、ポール・グリモーは『やぶにらみの暴君』(原題『羊飼い娘と煙突掃除』)の意にそわなかった公開から27年後、それを『王と鳥』として完成させる。私は学生時代『やぶにらみの暴君』を見て、アニメーションの表現力のあまりの大きさに驚嘆し、詩的で奇想天外なアイディアの意味深さに心奪われつつ自問した。これは「現代史」をまるごと隠喩でとらえようとする空前絶後の試みではないのか。 アニメーション映画監督 高畑勲

高畑勲宮崎駿に多大な影響を与えた作品です。
7月にデジタル・リマスター版がスタジオ・ジブリ提供で劇場公開されます。
「王と鳥」公式サイト
キャッチコピーはこうです。
「気をつけたまえ。この国は今、罠だらけだからな。」
王様は気に入らない家臣がいるとポチっとボタンをおします。
すると床がパカッとあいてその家臣はストーンと落っこちてしまいます。
そしてスっと何事もなかったかのように床はもとどおりに。
体制に対してモノ申そうとする人たちをなきものにする。
それって、いま国会で審議が始まった「共謀罪」そのものじゃないですか。
また、超高層宮殿の最下層に貧民が閉じ込められ強制労働させられているのは
「勝ち組」と「負け組み」にはっきり分かれている格差社会を描いているし
巨大ロボットで自分の意思を押し付ける王様は帝国アメリカの姿が二重写しになる。
7月の公開まで待っているのは惜しい!
是非、今、もう今すぐにでも見て欲しい作品です!!