etudes a l’etranger

[エチュード ア レトらンジェ]

「留学」

フランス滞在日記」というブログを拝見しました。
Paris で MBA の勉強をしてる方の日記です。
フランス留学と聞いて思い出したことがあったので、反日デモにからめて書こうと思います。
反日デモはおさまるどころかもりあがっちゃって、町村が「おわび」したのに中国政府は一連の行き過ぎ行為に対して日本政府に一切謝罪しないという日本人の神経をさかなでするような対応をしちゃいました。
うーん、中国政府にはもうちっと「大人力」ほしいっす。
中国の政治指導者で大人だなあと思うのはやっぱ周恩来首相です。伝記も読みました、昔。
先日の朝日天声人語でもちょっと触れられてましたが、日中国交回復にあたり「前事不忘 后事之師(過去の戦争のことを忘れるわけではありません、未来の教訓にしていかねばなりません)」とし、侵略戦争の罪は日本の軍国主義指導部にあり、人民にその責任があったわけではないから、人民生活を苦しめることになる戦争賠償金は請求しない、というとっても大人な処理をした方です。(「日中共同声明ここにあります。)
そんな彼は若き日、フランスに留学しておりました。彼の大人力はフランスで培われたのかどうかはわかりませんが。トウ小平もフランス留学組ですからね。現在の中国のいびつな状態を生み出したのはトウ小平なわけで。
とりあえず、わたしがいまの「反日デモ」に言いたい事は「日本政府」と「日本人民」は切り離して考えてくれよ、と。テレビあんまり見てないんでどんなプラカードが掲げられてるかとかよく見てないんだけど、せめて「日本帝国主義打倒」とか、そんくらいは言ってほしい。
そもそも、共産主義ってのは国家なんてクソくらえなもんで、ぶっこわしてしまえ、という思想なわけです。まあ、そこにいたるまでは党が堅固な社会主義国家を運営していかなくちゃならんという理論はありますが、国家と人民との関係性についてはレーニンの「国家と革命」みたいな初歩的文献読めば書いてあるわけで、自分の国のことだろうとクールに見なくちゃならないと思う。今の中国は経済発展一本やりで、下手したら空中分解しかねない状態を「愛国心」で維持しようとしてて、それを「反日」の方向に向けてる。「愛国心」を否定はしませんが、それはもっと純粋に国土の自然とか歴史・文化、そしていまともに生きる人々に向けられるものだと思うんだよね。
わたしたち日本人民としては、中国人民の鬱屈した感情に理解を示しつつ、中国政府の大人げない対応を嘆きつつ、日本政府がほんとに何しようとしてるのかということに深い洞察力をもって監視し、世界全体がしあわせになるように、なんかできることをやっていきたいなと、思う。