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岩波新書、海老坂武著「サルトル―「人間」の思想の可能性 (岩波新書 新赤版 (948))」読了。
むか〜し、講談社現代新書の「「サルトル」入門 (講談社現代新書 70)」を読んだことがありますが、
ほとんど理解できなかった。
生誕100周年の今年は、ちょっとサルトルに取り組んでみようと思って読みました。
実存主義とはなんぞや?とか、「弁証法的理性批判」の内容とか
哲学的問題はいまいち理解できないんですが
アルジェ戦争に対する関わりとか、いわゆるアンガジュマンについての記述は面白い。
21世紀の今もサルトルの言葉はわたしたちに訴えかける。
「連日わたしたちすべての面前で犯されつつあるこの犯罪が、それを告発しないすべての人間を、わたしたちをいっそう隷属させるためにまず堕落させようとする犯罪者たちの共犯にするからです」(「ジェノサイド」)。
自爆テロや米軍の攻撃(これもテロですが)で何人死んだかというニュースが
まるで天気予報のように報道されるいま、
なにもしないでいるってことは、共犯者になるってことです。
リベラシオンがサルトルらが創刊した新聞だってのは知りませんでした。
いまでは創刊当初とはだいぶ違うものになってますが。