＠レンタルＤＶＤ

「墨東綺譚 [DVD]」を観ました。

荷風の原作「墨東綺譚 [新潮CD]」は読んでないのでなんともいえないのですが
「断腸亭日乗」をベースに実際の荷風の生涯を描いているっぽい。
主演の津川雅彦演じる50代のころの荷風はちょっとイメージと違うんだけど
晩年のヨボヨボした荷風はすごく雰囲気が出てた。
大黒家のシーンもあって
昨日自分が行ったばかりの店内で
荷風がカツ丼をハフハフ食べているのを見て
そうそう、そこそこ状態。
日本が日中戦争から日米戦争へと突入していく時代の中で
荷風自身は日記で政府の戦争強攻策に批判するも
積極的に反戦活動をしたわけではない。
このへんの心情についてはいずれじっくり調べてみたい。
小ブルインテリの弱さと言ってしまえば簡単だけど
断罪したところで何にもならない。
ドレフュス事件で闘ったゾラとどう違うのか
フランスにおける知識人のあり方と
日本の知識人のおかれていた状況の違いとか
興味深いテーマである。