@ギンレイ

トウキョウソナタ」を観てきました。

ある家族の崩壊と再生の過程を通して現代日本社会を問う作品。
秀作でしょう。
キョンキョンがいい。
映画はよかったんだけど、客がね・・・。
そこは笑うところじゃないだろっていうところで
でかい声で笑ってるばあさんがいて、もうかなり超気に障ったぜよ。
まあ、どんな見方をしようと勝手だけどさ。
こういう人とは絶対につきあいたくないね。
香川照之が職探ししていて
「自分は何でもやるつもりはあるのに雇ってくれないんだ」
みたいなことを言って何かけっとばしたり物に八つ当たりしてる場面があるんだよね。
その気持ち分かるなあ。
自分もハローワークに行ってたころ
昼メシをそこらの公園でパンか何か買って食べててさ
ふと地面に目を落とすとアリがトコトコとエサを運んでるわけ。
アリさんは仕事があっていいねえって思ったよ、ほんと。
自分も働く場があるならやりますよって、何でもやりますよって。
くくく・・・。
今、そういう思いしている人、多いと思うよ。
映画館に来てる人にはそういう人は少ないだろうけどさ。
家族のためなら何でもやりますってことで振り込め詐欺の金の引き出し役とか口座を作って売ったりとかしちゃってる人のことをNHK特集でやってたけどさ、そこまで来てるわけ。
でね、香川照之が何とか家族の中での父親としての威厳を保ちながらも
失業してることを家族に知られないように汚れ仕事もやったりする姿が
ある意味コミカルっていえばコミカルに描かれている場面もある。
そういう場面でね、笑えないわけよ、ギャハハとは。
あんたには彼の痛み、辛さが分かりますか?
トイレ掃除とかそういう仕事したことある?
清掃員バイトには更衣室なんてないからショッピングモールの隅のほうで着替える場面とか
リアルだよね。
そういう待遇なんですよ、まさに。
映画館に映画を見に来ることができる人に世の中の現実っていうもの分かってもらいたいな。
って、まあそれぞれの人にそれぞれの現実があるわけで
われこそ正義と言うつもりはないが、こういう現実もあるんだっていうことね。
自分には分からないこと、知らないこと、体験もできないことを
我がことのようにちょっとでも感じてそこから自分のことなり世の中のことなりを考え直したりっていうのが映画を観るっていうことなんじゃないかと思うんだけどね。