エリック・ゼムール著、夏目幸子訳「女になりたがる男たち」読了。
女になりたがる男たち (新潮新書)
この本、フランスでは賛否両論かなり議論を巻き起こしたらしい。
フェミニストからはかなり糾弾されたようだ。
女性の社会進出は労働力人口を増加させたいという資本の要請によるものであって
フェミニズムの論理はその後付け的なものであると。
また、ゲイ文化が社会的に認知されてきたのもの、巨大資本がそれを取り入れるべきと判断したからであると。
現実分析として著者の論理は一面の真実であると思う。
現代の資本主義国家は市民的自由のもとで反体制的な言論も容認するわけで
フェミニズムの論理も体制内的なものでは釈迦の手の平の中の孫悟空に過ぎないことを
反省的に認識すべきだと思う。
人間を商品として扱う資本主義の論理自体を乗り越えなければ真の自由は得られないだろう。