社会

岩波新書、岡倉古志郎著「死の商人」読了。
ロード・オブ・ウォー」の理解を深めるために読みました。
1962年初版の本なんでかなり古いのですが、死の商人の歴史についてはよくわかりました。
ニコラス・ケイジ扮する武器商人なんて、ほ〜んのちっぽけなブローカーにすぎません。
ホントに悪いヤツらは国家間の緊張を作り出して戦争起こさせちゃってるわけですから。
映画のラストで最大の武器輸出国は安保常任理事国だって言ってる、
それこそこの映画で一番言いたかったことですよね。
この本ではザハロフ、クルップ、IGファルベン、デュポン、
日本の三菱、中島飛行機などがとりあげられています。
連中は二度の世界大戦で敵味方に武器売りまくってボロもうけして
いまだにのうのうとしてますからねえ。
最後に死の商人を死滅させられるかって章がありまして
本書ではソ連の軍備全廃の呼びかけに期待抱いちゃっていますが
現実は全く違うことは言うまでもありません。
なにぶん、40年以上前の本なので。
著者の見通しが甘いとかいうことはできません。
旧ソ連指導者をはじめ、人民を裏切り、私腹をこやすことしか考えていない連中をこそ
糾弾しなくちゃならんでしょう。
戦略的には兵器産業で働かざるを得ないような人がいなくなるように
人々の働き方がもっと自覚的・倫理的なものに変わっていく必要があるんじゃないかと思います。
現代アメリカの軍需産業については
広瀬隆の「アメリカの巨大軍需産業 (集英社新書)」が詳しいです。