松本清張新装版 日本の黒い霧 (下) (文春文庫)」読了。
新装版 日本の黒い霧 (下) (文春文庫)
実家に父が買った初版本があったのを子供のころから見て、知っていたのですが、
今になってようやく読みました。
戦後の不可解な事件についての松本清張の推理です。
結論的には、
日本を占領した米軍は、当初日本を二度と世界征服など考えないような
軍備を持たない「民主国家」にしようとしたが
冷戦の激化に伴い、
民主化政策のもとで急成長してきた共産党の勢力に打撃を与え
反共の砦として、米軍の対共産圏前線基地とするために
さまざまな謀略を働いたということ。
謀略にかけては世界一ですな、アメリカ合衆国権力は。
北朝鮮政権による日本人の拉致事件は許されざることではあるけれども
アメリカのやってきたことといったら、
目くそ鼻くそどころではなく
××××××××××××××××。
(比喩が汚くなったので自主規制)
しかし、こんな本を堂々と出版した松本清張は度胸あるなと思う。
ヤバイですよ。
よく殺されなかったと思う。
この本でも取り上げられている松川事件では
作家・広津和郎氏も被告の無実を主張して裁判闘争を支援している。
社会正義のために声をあげて闘う作家、尊敬します。
わが敬愛するエミール・ゾラドレフュス事件において闘いましたが
ゾラの死についてはいろいろ怪しい点があって
どうも謀略殺のようだと思う。
しかし、このようなことにビビっていては権力者の思うツボであり
とにかく、声を発していかねばなりませぬ。