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「デンマークの歴史・文化・社会」を斜め読み。
環境先進国であり、王政を存続している国家としてのデンマークに興味があって読んでみました。
2004年春の世論調査では、82%のデンマーク人が君主制に賛成している。王室がそれほどまでに人気があるその他の理由として、王室が持つまさに古く長い家系の歴史が挙げられるのかもしれない。デンマーク人は、自分自身の家系や、その家系の栄誉、名声、評判などに関心を持つことは少ない。しかしながら、このように自分の祖先に対する感覚を失ってしまったことは、やはり喪失感を感じさせるものなのである。したがって、王室の家系や自分自身の失われた家系に代わるものと見なされる。デンマークにも、遠い過去へとさかのぼることのできる家系が1つ存在しているのである。2つ目の理由として、世界が目まぐるしく急速に変化していく時代では、不変的なものの象徴として王室を見なすことは人々に安堵感を与えるということが挙げられる。3つ目の理由として、政治的な理由が挙げられる。デンマーク人はもはや階級に分かれてはおらず、多くの個人によって構成されている。彼らを結びつけるものは、王室以外には何もないのである。王室を通して、彼らは同じ国家元首に属している。この事実は心地よく感じられ、また政治的にも必要である。デンマーク人を1つの民族に糾合する何かが必要なのである。