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安彦良和「三河物語―マンガ日本の古典 (23)」読了。
ガーン!
すばらしい。
まいりました。
徳川家の忠実な家臣だった大久保彦左衛門の繰言ともいえる「三河物語」が
安彦良和の手にかかるとこんなにもヴィヴィットで「革命的」作品になるとは。
大久保彦左衛門の草履取りをしていたころの一心太助に松前屋五郎兵衛は言う。
戦もいやだが汚いだましあいやウソもいやだ
それにウソや出世の欲を忠義とか天下安寧とかいったキレイ事で包みかくすサムライの流儀もイヤだ
いったんイヤと思ったらおさまらん性格でな
家もクニも捨てて江戸へとびだしてきた…
上様は家康様の定めた武家諸法度を使ってこれからはどしどし武士を取り締まっていくそうだ
そうすればたしかに戦も喧嘩もなくなるだろうが
殿様たちは皆将軍の忠犬になり
仕える者はもっと厳しく忠義という鎖につながれる
私のようなものにはいよいよつまらなくなるというわけだね
豊臣家が滅んでこれからは徳川の世と世間は言うよ
でも本当は町人の世だ
自分の気持に正直に生きていける町人がやっと戦をこわがらずに
のびのび生きられる世の中になったのだと思うよ
そうそう、サムライがかっこいいなんて嘘っぱちなんだよね。
もっとも、町人の中には豪商となって
サムライと結びついて町人、農民を抑圧する側に回ったものもいるけど。
そのへんの話はさておき
安彦漫画の魅力にやられてしまった。
いままで気になってたけどほとんど読んでなかったのが悔しい。
これから、続々読んでく予定。