土門拳著「土門拳 強く美しいもの―日本美探訪 (小学館文庫)」読了。
土門拳 強く美しいもの―日本美探訪 (小学館文庫)
写真家土門拳が美術品について語った本。

あとがきに土門の弟子の藤森武が彼の撮影方法について書いているのが非常に興味深かった。

 とにかく好きなものしか撮らない。自分自身の確固たる美学の裏づけがありましたから。まず最初に書物で「調べる」。調べたあとに「見る」。その次が「感動する」。これは素直な感動です。感動したあと「凝視する」。これにうんと時間がかかる。最後に「撮影する」。この五段階の手順を必ず踏む。仏像をクローズアプで撮るときも、当初のものがどこで、あとで直した後補部分はどこかと、細部にわたって一所懸命見る。そして本物が残っているところに焦点を絞って撮るんです。