@テアトルタイムズスクエア

「[レンブラントの夜警」を観てきました。

カナダ・フランス・ドイツ・ポーランド・オランダ・イギリス合作の大作ですかね、これは。
139分もあるし。
しかし、登場人物が多くて、名前が覚えられなくて謎解きストーリーなんだけど
そっちのほうはついていけなかった。
今、オフィシャルサイトを見て、なるほど、そういうことねと納得。
なにしろ映画の一番最後にURLが出てたからね、最近のTVCMみたいに。
この映画を一見で全て理解できた方は相当な方だと思いますが。
でも、私がこの映画を観て思ったのは、そういう謎解きとは別のところにあってね。
というか、まず、この映画の観客、年配のご夫婦が妙に多かったです。
場所柄、お日柄、映画の内容ともに、そういう方が多くなるかもねえ。
で、隣のお席のご夫人が映画の終わったあとのたまわく
「ほとんど寝てたんだけど、なんかすごい下品な言葉ばっかりで何これって思っちゃった」
ああ、ずばりそこ、そこなんですよ、奥様!
この奥様、「レンブラントの絵は、京都に来たとき観に行ったわ」とおっしゃる
展覧会大好き系、平日のお昼間にお友達の奥様とよくカルチャーされてる方って感じ。
その奥様が、「ファッキン、ファッキンとか、そんな台詞ばっかりで本当かしら、これ」って
ファッキンな感想をおっしゃられていたのでありますが、
まさにこの映画においてレンブラントに自分たちの肖像画を依頼した連中こそは
上流階級でありながら(いや、上流だからこそ)さまざまな悪事に手をそめており
それをひた隠しにしている連中なのであります。
それは、オランダという国が海運業でボロもうけしてわが世の春だった時代であります。
その時代の上流紳士たちの悪事を絵筆で暴いてやろうとしたレンブラントの反逆精神と純粋さこそ
この映画のまさにキモではないでしょうか。
いえ、別に奥様がそんな悪いことに直接手を触れてらっしゃるなんて思いません。
当時のオランダとなんとなく重なるところもあるこの日本において
奥様はもしかしたら、選挙のときには「野党」に投票してるかもしれないし
ボランティア活動をしてるかもしれないし、
地球環境にいい商品を選んで購入されてるかもしれないし
とっても良心的に生きていらっしゃるかもしれないわ。
でも、そういうこともひっくるめた上でこの現代日本で「普通に」生きてること自体の犯罪性
本人が自覚することのない犯罪性に思いを馳せる必要があるんじゃ・・・
ってそんなこと考えるわけないか、普通は。