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「一秒四文字の決断―セリフから覗くフランス映画」読了。
著者の山崎剛太郎氏は700本を越える映画の字幕を手がけてこられた方。
字幕翻訳の苦労と醍醐味を語ったのがこの本。
字幕というのは、人間が文字を読み取ることのできる速度からして
1秒あたり4文字と決められているのだそうです。
定められた短い字数の中にどうやってもとのセリフの意味、ニュアンスを入れていくのか、
そこが字幕翻訳者の腕の見せ所。
たとえば、ジャン・ルノワール監督の「大いなる幻影」のなかのセリフ
Comme les copains, faut bien qu'on la finisse cette putain de guerre...
文字通り訳せば
(仲間同士のろくでもねえ戦争はやめるこった……)
それが字幕では
「戦争はもうやめてほしいぜ」
になる、という具合。
著者が字幕をつけた古い映画がいろいろ紹介されていて
見てみたいなあと思うのがありました。
日仏学院メディアテークにあるフランス映画を全制覇するのがわたしの目標です。