森鴎外ヰタ・セクスアリス (新潮文庫)」読了。
VITA SEXUALIS (ラテン語)「性欲的生活」


鴎外の自伝的小説。
ある学者の性欲の歴史として描かれ、掲載誌が発禁となったいわくつき作品。
旧制高校の寮生活のことなど書かれていて非常に興味深い。
摩利と新吾」の原点はここにあったのかあと思いました。
語学学習上、とても参考になることが書かれていました。

この頃になっては、僕のノオトブックの数は大辺なもので、丁度外の人の倍はある。その訳は一学科毎に二冊あって、しかもそれを皆教場に持って出て、重要な事と、只参考になると思う事とを、聴きながら選り分けて、開いて畳ねてある二冊へ、ペンで書く。その代り、外の生徒のように、寄宿舎に帰ってから清書をすることはない。寄宿舎では、その日の講義のうちにあった術語だけを、希臘拉甸(ギリシャラテン)の語源を調べて、赤インキでペエジの縁に注して置く。教場の外での為事は殆どそれきりである。人が術語が覚えにくくて困るというと、僕は可笑しくてたまらない。何故語源を調べずに、器械的に覚えようとするのだと云いたくなる。

羅仏辞典とか買おうかな。


ちなみに鴎外の初体験は20歳のとき、吉原で。