梅原猛日本の原郷 熊野 (とんぼの本)」読了。
紀伊半島一周旅行の復習です。
熊野というところは、ほんとに「日本」的なところなのかもしれない。
神話的世界、修験道山岳信仰)、仏教がこうなんていうか
ごっちゃになってるようなところなんだね。
それが、院政時代の上皇たちの熊野御幸でもって権威づけられ
民衆の間に熊野詣でというのが普及していったと。
この本は1990年発行の本なのですが、次のような文章で締めくくられています。

 熊野古道は今はさびれている。もうここを旅する人はほとんどいない。しかし私は、今はもう一度日本人は熊野を想起すべき時であると思う。古代と中世の接点の時に、人はルネッサンスのごとく太古への回帰、自然への回帰の情熱に駆られてこの熊野へ蟻のごとく参った。今、文明は再び太古と自然へ帰ることを要求しているのではないか。また、第二の蟻の熊野詣が始まる時期が来ているように思う。

2004年には熊野古道世界遺産に指定され、
熊野古道」なんてタイトルの演歌もヒットしたりして
熊野、注目されていますね。
でも、あんまり誰も彼もやってきて、ワイワイギャーギャーしてほしくはないです。
ひっそりした熊野に、またこんどゆっくり行ってみようと思います。