三島由紀夫英霊の聲」電車の中で読了。

2・26事件三部作。
「英霊の聲」「憂国」「十日の菊」を収録。
巻末に「二・二六事件と私」という随筆がある。

 私の癒しがたい観念のなかでは、老年は永遠に醜く、青年は永遠に美しい。老年の智恵は永遠に迷妄であり、青年の行動は永遠に透徹している。だから、息手入れいるほど悪くなるのであり、人生はつまり真逆様の頽落である。

私は二・二六事件そのものを支持するわけではないが、
ある集団が一つの理想をもってこの国の方向を転換させようとしたということに
興味がつきない。
だらだらと、なし崩し的に悪政がはびこるこの国にあって、
明確な意思のもとに改革が断行されることを心のどこかで望んでいるのだろう。