@東京都写真美術館

sampobito-sola2007-02-11

恋人たちの失われた革命」を観た。

 世界を変えられると思っていた。この愛は永遠に続くと信じていた。
 1968年5月、パリ。二十歳の詩人フランソワは兵役を拒絶し街へ出てゆく。そこは、機動隊との激しい闘争が繰り広げられ、彼と同じく失うものはない若者たちが大勢いた。ある日、フランソワは彫刻家を目指す美しい女性リリーと出会う。二人は一瞬にして恋に落ちる。
 1969年。若者たちはパーティー、アヘン、セックス、享楽に溺れ、夢や理想、そして‘革命’でさえも、語るだけの日々を過ごすようになっていた。混沌とした時代の中で、皆が連鎖反応的に不安や憤りに囚われ、それぞれに新しい‘何か’を渇望していた。また、この愛が永遠に続くと互いに信じていたフランソワとリリーも、新しい居場所を求め始めて・・・。

3時間にもおよぶモノクロ作品。
映像としてはすごく美しいのですが、
かなりコントラストがきつくて、ハイライト部分が多いので
字幕が読めないとこもあったりして。
なんとなく聞き取れるセリフもありましたがね。
リリーが、フランソワに自分の父親のことを話すシーンが最も印象的でした。
彼女の父親は労働者で共産党員でした。
本当は絵描きになりたかったのだけれども、その夢を果たせずに亡くなった父。
「だから私は彫刻をやめない」とリリーは言う。
自分の父親のことを思い、ぐっとくるものがありました。
当時の若者の、いくつかの象徴的なタイプが描かれていたと思うのですが、
彼女たち彼らにしても、もう60歳くらい。
今は何をしていることやら。
もちろん、時がたてば人は変わるもの。
でも、若かったころの自分が軽蔑してたような人間にはなりたくないよね。