エミール・ゾラ著、小田光雄訳「ごった煮 (ルーゴン・マッカール叢書)」読了。
ごった煮 (ルーゴン・マッカール叢書)
ルーゴン・マッカール叢書第10巻。
全20巻の半分まできました。
主人公オクターヴ・ムーレが同じアパルトマンに住むブルジョワ家庭の奥様に
次から次へと手を出して、美味しい思いをしたり、痛い目をみたり。
ブルジョア家庭の清く正しい偽善性を徹底的に描き出しているというわけ。
同時に、各家庭に雇われている女中達の生活と精神をみっちり描いているところが
やっぱりゾラです。
しかし、何といっても圧巻は、ある女中がだれの子かわからないけど
とにかくどこかのうちのご主人様の子供身ごもったんだけれども、
周りの誰にも気づかれることなく臨月を迎え
たった一人で自分の部屋で赤ん坊を産み落とし、
すべて粛々と処理をして翌日からは普通に働きはじめるという。
ここんとのこ描写はすごかった。
おなか痛くなっちゃいましたよ。